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変形性膝関節症とは

症状

2019.10.30 11:26

変形性膝関節症のレントゲン写真

症状

主な症状は膝の痛みです。症状が重い例では、膝の動きが制限され、膝が完全に伸びなくなったり、膝を曲げるのが制限され膝を深く曲げることができなくなったり、正座が出来なくなったりします。時々、膝に水がたまる関節水腫を起こすこともあります。日本人の場合、内反型の変形が多くO脚変形が生じることが多いです。高齢者や膝の外傷後の患者さんによくみられる傾向にあります。男女比は1:4で女性に多くみられます。

初期症状:立ち上がり、歩きはじめなど動作の開始時に膝が痛みを感じます。

中期症状:歩行時に膝の痛みを感じ、階段の昇降時に痛みを感じ、正座が出来なくなってきます。

末期症状:安静時にも痛みが取れず歩行は困難となり、変形が目立ち、ひどいO脚を認めることがあります。

原因

原因は、関節軟骨の老化によることが多く、肥満、素因(遺伝子)なども関与しています。外傷(骨折、靭帯損傷や半月板損傷など)や感染症(化膿性関節炎など)の後遺症として発症することもあります。

加齢により関節軟骨が年齢とともに弾力性を失い、過度な荷重や使い過ぎにより軟骨面がすり減り、徐々に関節の間が狭くなり、内側や外側に骨の棘が出現し変形してきます。

予防

・太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)を強化する。

(イスに座り膝を伸展させる運動)

(仰向けに寝て片方の脚を膝進展のまま30°くらい持ち上げ10秒数える運動)

・体重増加したり、肥満であれば減量する。

・正座を避ける。

・膝を冷やさない(クーラーなどが当たらないようにサポーターで暖かくする。)

・洋式トイレを使用する。

・膝を温めて血行を良くする。しかし、歩きすぎなどの急性期で膝の疼痛があり、熱感があるときは冷やす。

治療

①薬物療法

 外用薬(湿布薬や軟膏)、内服薬(消炎鎮痛剤)、関節内注射(ヒアルロン酸など)

②理学療法

 大腿四頭筋強化訓練、関節可動域訓練、装具療法(足底板など)、温熱療法など

③手術

 関節鏡手術(内視鏡)、高位脛骨骨切り術(骨を切って変形を矯正)、人工膝関節置換術など

手術では上記写真のように、人工膝関節全置換術が一般的に行われている。
手術翌日から歩行可能となる事が多い。入院期間は医療機関によって多少異なるが、
1~3週間の入院加療になる事が多い。入院期間中も退院した後も膝の可動域訓練と下肢筋力訓練をしっかりと行っていく事が重要となる。

しかし、最近では適応する症例は限られるが、膝関節の内側だけを人工に置換することにより、できるだけ関節面を温存できる人工膝単顆置換術も行われている。(上図)

また人工膝関節全置換術も、通常より小さな皮節で手術を行う、MIS 最小侵襲手術が行われている(上図)